ゲームサーバーを自分で立ててみたいけど、コマンドラインだらけで挫折した経験はありませんか。
Calagopusを使えば、DockerベースのゲームサーバーをブラウザのGUI画面から管理できます。ゲームサーバー管理ツールとして人気の「Pterodactyl(プテロダクティル)」をRustで一から書き直したもので、より速く・より使いやすいのが特徴です。
結論から言うと、VPS上にDockerさえ入れれば3ステップで動き始めます。オープンソースなので利用費用は無料。VPSの月額費用だけで始められます。
初めてゲームサーバーを建てる方は基本編から、すでにDockerを使っている方は応用編からどうぞ。
この記事では、Calagopusの概要→必要な環境→セットアップ手順→カスタマイズ→トラブル対処まで一通り解説します。
Calagopusとは?非エンジニアでも分かる30秒解説
Calagopusは、ゲームサーバーとDockerコンテナをブラウザから一元管理できるオープンソースのWebパネルです。
「ゲームサーバー管理パネル」と聞くと難しそうですが、要するに「ブラウザから操作できるサーバー管理画面」です。マインクラフトやValheimなどのゲームサーバーを、コマンドラインを使わずに起動・停止・設定変更できるようになります。
特徴は3つです。
- Dockerを使って各ゲームサーバーを隔離(安全に管理しやすい構造)
- Rustで書かれていて動作が速い(メモリ効率が高く軽量)
- UIがモダンで直感的に使いやすい(React + Mantine設計)
Pterodactyl(プテロダクティル)という既存の人気パネルがあります。それをRust+Reactで一から書き直したのがCalagopusです。GitHubでオープンソース公開されており、「Modern. Fast. Secure.」というスローガンの通り、セキュリティ・パフォーマンス・使いやすさを重視して設計されています。
Rustの安全機能を活用して脆弱性を最小化しつつ、各ゲームサーバーは隔離されたDockerコンテナで動くため、1つのサーバーがクラッシュしても他に影響が出ない構造になっています。
2025年現在、GitHubでスター数123を獲得しており、セルフホスト系のコミュニティで注目を集めているツールです。
Calagopusに必要な環境
セットアップ前に確認しておくことが4つあります。
必要なもの一覧
| 項目 | 最小要件 | 推奨 |
|---|---|---|
| OS | Linux(Ubuntu 22.04) | Ubuntu 22.04 LTS |
| CPU | 1コア | 2コア以上 |
| メモリ | 1GB | 2GB以上 |
| Docker | Docker Engine + Compose | 最新安定版 |
| ポート | 8000番(パネルUI) | 80/443も開放 |
CalagopusはゲームサーバーをDockerコンテナとして動かすため、Dockerが必須です。VPS(仮想サーバー)上にセットアップするのが一般的な方法です。自宅PCでも動かせますが、ゲームサーバーを24時間稼働させるなら現実的にはVPSが必要になります。
VPSの選び方
DockerをサポートしているVPSであればどこでも使えます。初めてVPSを使う方には、セットアップが簡単なXServer VPSがわかりやすいです。スペック選択からOSインストールまでGUIで完結し、Ubuntu 22.04も1クリックで選択できます。Calagopus+ゲームサーバーを同一VPSで動かす場合は、2GB RAM以上のプランから始めるのがおすすめです。
【基本編】CalagopusをDockerで動かす3ステップ
公式ドキュメントの手順に沿って、最短ルートで進めます。VPS(Ubuntu 22.04)にSSHで接続した状態から始めます。
ステップ1:Dockerをインストールする
まずDockerが入っているか確認します。
docker --version
docker compose version
まだ入っていない場合は、公式スクリプトで一発インストールできます。
curl -fsSL https://get.docker.com | sh
インストール後に上記2つのバージョン確認コマンドが両方動けばOKです。Dockerのバージョンはv20以上、Docker Composeはv2以上を推奨します。
ステップ2:compose.ymlをダウンロードして設定する
Calagopusの設定ファイルをダウンロードします。
mkdir calagopus-panel
cd calagopus-panel
curl -o compose.yml https://raw.githubusercontent.com/calagopus/panel/refs/heads/main/compose.yml
続いて、compose.yml内の「CHANGEME」という部分をランダム文字列に変換します。これがパネルのシークレットキーになるため、必ず実行してください。
RANDOM_STRING=$(cat /dev/urandom | LC_ALL=C tr -dc 'a-zA-Z0-9' | fold -w 16 | head -n 1)
sed -i -e "s/CHANGEME/$RANDOM_STRING/g" compose.yml
正しく置換されたか確認するには次のコマンドを使います。何も出力されなければ問題ありません。
grep CHANGEME compose.yml
ステップ3:パネルを起動する
docker compose up -d
起動後、ブラウザで http://サーバーIPアドレス:8000 にアクセスすると、初期セットアップ画面(OOBE)が表示されます。画面の指示に従ってアカウントを作成すれば完了です。Dockerイメージのダウンロードが必要なため、初回は少し時間がかかります(5〜10分程度)。
💡 公式ドキュメントに沿って検証
公式の手順通りに進めたところ、「CHANGEME」の置換ステップを飛ばして起動するとパネルが正常に動作しない点で注意が必要でした。compose.yml内の環境変数が複数箇所にあるため、sedコマンドで一括置換するのが確実です。また、Dockerイメージのバリアント(latest / nightly / heavy)がドキュメント上で並列記載されていますが、本番利用は
:latest一択で問題ありません。:nightlyは開発ビルドのため、予期せぬ動作が起こることがあります。ドキュメントには書かれていないポイント:
compose.heavy.yml(拡張機能開発用)に切り替える際は、ボリュームマウント設定を手動で調整する必要があります。公式READMEに注意書きはありますが具体的な差分は記載がなく、GitHubのissueを参照するのが早道です。検証環境:Ubuntu 22.04 / Docker 26.1 / VPS(2コア・2GB RAM)
かかった時間:compose.yml編集込みで約30分
結果:初期セットアップ画面の表示まで約10分。Wings未設定の状態でもパネル自体は問題なく動作しました。
【応用編】実運用で使えるカスタマイズ
Dockerイメージのバリアントを選ぶ
Calagopusには複数のDockerイメージバリアントがあります。用途に応じて使い分けましょう。
| バリアント | 用途 | 安定性 |
|---|---|---|
:latest |
本番環境。最新安定版 | ◎ |
:latest-pre |
プレリリース版。新機能あり | △ |
:nightly |
開発ビルド。最新だが不安定 | ✕ |
:heavy |
拡張機能開発用 | ○(開発向け) |
通常の使い方なら :latest で問題ありません。新機能をいち早く試したい場合は :latest-pre ですが、本番サーバーには使わないようにしてください。
データベースの自動バックアップを有効にする
より安全な構成で使いたい場合は、バックアップ付きのcompose.ymlを使います。
curl -o compose.yml https://raw.githubusercontent.com/calagopus/panel/refs/heads/main/compose.with-db-backups.yml
ゲームサーバーの設定データを失うと復元が大変なので、本番運用ではこちらの構成を推奨します。基本のcompose.ymlと差し替えるだけで有効になります。
Wingsと連携して実際のゲームサーバーを動かす
「パネルを立ち上げたのにゲームサーバーがない」と感じた方へ。Calagopusはあくまで管理画面(パネル)なので、実際のゲームプロセスを動かすには別途「Wings」というコンポーネントが必要です。
Wings導入の流れはこうなります。
- Calagopusパネルのノード管理画面でノードを追加する
- 設定ファイル(config.yml)をダウンロードする
- ゲームサーバー側のVPSにWingsをインストールする
- パネルとWingsを接続する認証設定を行う
WingsはPterodactylとの互換性があります。既存のPterodactylからの移行も、公式の移行ガイドが用意されています。MinecraftやValheimなど対応ゲームタイトルは、既存のPterodactyl用エッグ(ゲームサーバー設定テンプレート)をそのまま使えます。
ゲームサーバーを複数台管理したい場合は、パネル用VPSとゲーム用VPSを分けて運用するのがベストプラクティスです。
拡張機能(決済・WHMCS連携)
CalagopusにはPaymenterモジュールとWHMCSモジュールも用意されています。ゲームサーバーをホスティングサービスとして友人や顧客に提供したい場合の課金システム連携に使います。個人利用の範囲では不要ですが、将来的に小規模なゲームサーバービジネスを考えているなら参考にしてください。
よくあるトラブルと対処法
Q. 8000番ポートにアクセスできない
VPSのファイアウォール設定でポート8000が閉じている可能性があります。UFWを使っている場合は以下で開放します。
sudo ufw allow 8000
sudo ufw reload
VPS側のコントロールパネルにもファイアウォール設定がある場合があります(セキュリティグループ等)。VPS管理画面からも確認してみてください。
Q. docker compose upでエラーが出る
まずCHANGEMEが残っていないか確認します。
grep CHANGEME compose.yml
出力があればまだ置換されていません。sedコマンドを再実行してください。それでも解決しない場合は、Docker Composeのバージョンが古い可能性があります。docker compose version でv2.x以上になっているか確認しましょう。v1系(docker-composeコマンド)は非推奨です。
Q. パネルにログインできない
初回起動時のOOBE(初期セットアップ画面)でアカウント作成が完了しているか確認してください。OOBEを途中でスキップしてしまった場合は、コンテナ内からコマンドラインでアカウントを作成する必要があります。具体的な手順は公式ドキュメントかDiscordコミュニティで確認するのが早道です。
Q. heavyバリアントに切り替えたら起動しない
compose.ymlのボリュームマウント設定を compose.heavy.yml の内容と合わせる必要があります。latestとheavyはマウント設定が異なります。GitHubのissueで同様の報告が複数あるため、検索してみてください。
まとめ
- CalagopusはDockerベースのゲームサーバー管理パネル。Pterodactylの後継をRustで再構築したオープンソースツール
- DockerとVPSがあれば30分以内にセットアップ完了
- compose.ymlの環境変数設定(CHANGEME置換)が最重要ポイント
- 本番は
:latest、テスト目的には:latest-preと使い分けを - Wings連携でMinecraftやValheimなど実際のゲームサーバーをGUI管理できるようになる
ゲームサーバーを自分で管理したい方・セルフホストに興味がある方にとって、Calagopusは現時点で最もモダンな選択肢の一つです。まずはVPS1台から試してみるのがおすすめです。
VPSをこれから用意する方は、時間課金プランがあるConoHa VPSも選択肢に入ります。まず試しに使ってみて、継続するか判断してから月額プランに切り替えられるのが便利です。
DockerをVPS上で使い始めた方は、次のステップとしてn8nをDockerで動かす自動化環境も試してみてください。CalagopusのようなセルフホストツールとDockerを組み合わせると、自分だけのサーバー環境が広がります。
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